**** クラフト作り:目次 ****
#1 ウグイス笛作り
#2 竹笛と竹材の処理
#3 ソテツの種、下駄とぽっくり、木の種等のストラップ類、バランストンボ、箸箱
昔から、竹や木など自然の素材を使ったおもちゃがたくさん作られてきました。ここではおもちゃとクラフトを、順次追加し、紹介していきます。
ウグイス笛の作り方の例を記載します。クラフトを作るにはナイフやノコなどを使いますが、これらの使い方が上手くなると、いろいろなクラフトを作ることが、楽しくなります。
…… ちょっと一言……
昔のおもちゃは理論的に解析すると、奥が深く、侮れないものが数多くあります。おもちゃは子供達に作らせ、興味を抱かせることが大切なことと思います。
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ウグイス笛全体図
ウグイス笛は昔から竹笛の定番です。ウグイスの鳴き声をまねて鳴らすのは練習次第です。笛の両端を指でふさぎ”ホー”と吹き、ふさいだ指を離して”ホケキョ”と鳴らします。
よく鳴るためには、穴を開ける平らな部分はできるだけ肉厚を薄くし、ドリルで開ける穴の縁(角)を鋭くします。
春先にはウグイスのいるところでは、鳴らさないようにしましょう。
寸法図
寸法はサンプルです。笛本体、吹く部品、穴の大きさ、吹く部品の取り付け角度等で音の大きさが変わります。
(1)竹材の準備
竹は篠竹を使い、10月~2月の間に伐採するのが最適。水で洗い、汚れを落としてから風通しの良い場所に干し、乾燥させる。竹の色が肌色になったら製作が可能。竹は肉厚の厚い方が作りやすく、笛本体は細い真竹でも可。
(2)寸法を決めノコで切る
笛本体の長さは9cm、吹く部分は6cm位。笛本体の長さと直径を小さくすると鳴りにくくなる。ノコを引く時は竹引きノコやクラフトノコを使用し、竹を手前に回転させながら切る。回転させて切る位置を変えないと、竹の皮がササくれて、きれいに仕上がらない。
(3)本体の竹を両刃のナタで割る
竹の肉厚が1mm+(少し)程度になるように割る。竹の内部にある薄い膜は必ず取り去る。
(4)竹の厚さ
竹を割ると両端の肉厚が同じにならない。肉厚が薄い方を吹く側にする。
(5)表面をナイフで削る
ナイフでなだらかにする。
(6)サンドペーパーで仕上げ。
竹の肉厚は1mm以下に仕上げる。
(7)竹の角を取る
両端の切り口と角を、サンドペーパーで削る。竹のササクレが無いようにする。
(8)内側をきれいに削る
ナイフの先を使って内側をえぐる。
(9)穴あけの位置決め
穴を開ける位置にセンターポンチやキリで印を付ける。穴の位置は薄い肉厚の端から3cm。
(10)穴あけ
卓上ドリル又は電動ドリルで竹に直角に穴を開ける。穴は6mmφ(5.5~6.0φ)。
(11)吹く部分の竹
肉厚が厚いと作りやすい。
(12)吹く部分の拡大
斜めに切る寸法は笛本体の竹の直径と、吹く部分の直径で変わる。
(13)本体と吹く部分の位置
穴と吹く部品間の位置は、実際に鳴らしながら部品を移動させ、大きな音が出る位置にする。最初に笛本体の両端をふさいで鳴らし、そのまま両端を開放して強く鳴る位置を探す。位置が決まったら、瞬間接着剤で仮止めする。仮止めしない時はゼリータイプの瞬間接着剤を使用しても可能
(14)縦方向から見た時
本体と吹く部品の穴の位置関係。吹く部品の穴の巾と笛本体の穴の直径は、ほぼ同じにする。
(15)瞬間接着剤を塗り完成
吹く部品を仮止めした時は浸透タイプの瞬間接着剤を十分に浸透させ、固定する。
(16)竹を切る別の方法
笛を多数作る時はチューブカッターを使用すると、竹の端にバリを作らず、きれいに切れる。扱い方は、左手で竹の左側をつかみ、右手でチューブカッターの黒いハンドルを少しずつ回しながら、竹を軸にチューブカッター全体を回転させる。左手は滑り止めの付いた軍手の使用がベター。
(17)チューブカッターで切った跡
(18)チューブカッターで切った断面
このようにきれいに切れる。
(19)竹の内側のバリ取り
チューブカッター本体に付属しているバリ取りを使用する。ただしナイフの方がきれいに削れる。
(20)鉄鋼キリと木工用キリ
穴を開けるキリの種類。下の木工キリの方がきれいに穴が開く。
(21)二つ穴のウグイス笛
一つ穴より音が大きくなり、音色が変わりる。笛本体の竹の長さと太さを変え、穴の数を増やすといくつもの音色が出る。